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🌏 家に「地震」を知らせる小さなささやき

静かな疑問から始まりました。 「人より先に、家が地震を感じることはできるのだろうか?」

大げさなサイレンや警報が欲しかったわけではありません。 ただ、家がそっと反応してくれたらいいなと思ったのです。 たとえば、廊下の明かりを点けたり、スマホに通知を送ったり。 そんな“さりげない気づき”を、すばやく。

そんなとき、Home Assistant Japan Facebookグループのメンバーが公開している、 Japan Meteorological Agency (JMA) の地震情報をリアルタイムで配信する公開MQTTサーバーの存在を知りました。 そのデータをHome Assistantに受け渡すことで、家が地震を“聞き取る”ようになったのです。


🧠 MQTTとは?──デバイス同士の「ささやき」

Section titled “🧠 MQTTとは?──デバイス同士の「ささやき」”

MQTTとは、デバイス同士が情報をやりとりするための通信プロトコルです。 でも、それを「ささやきのネットワーク」と呼びたくなります。 インターネット上で大声で通知を送るのではなく、必要な情報だけを静かに、素早く届ける──そんなイメージです。

今回の“ささやき”は、たとえばこんな内容です。

「東京で地震が発生しました。」

それを受けて、家は自由に反応できます。 ライトを点けても、スマホに通知してもいい。すべてはあなた次第です。


🪜 セットアップ:静かで、安全、そしてオープンに

Section titled “🪜 セットアップ:静かで、安全、そしてオープンに”

Home Assistant OS (HAOS)を使用しています。 HAOSなら、MQTTの設定はとても簡単。以下の手順で、気象庁の地震情報を受け取れるようになります。 コーディングは不要です。


✅ ステップ1:MQTT専用ユーザーを作成

Section titled “✅ ステップ1:MQTT専用ユーザーを作成”

最初に、MQTT専用のユーザーを作成しておくのがおすすめです。 セキュリティのため、メインアカウントとは分けておきましょう。

  • MQTTだけにアクセスを制限できる
  • メインのHome Assistantアカウントを保護できる
  • 不要なリモートログインを防止できる
  1. 「設定 > メンバー」へ移動
  2. 「ユーザー」タブをクリック
  3. 「+ ユーザーを追加」から新しいユーザーを作成
  4. 例:home_assistant_mqtt / securepassword
  5. 「管理者」をオフにし、「ローカルアクセスのみ」をオン
Home Assistantの新しいMQTTユーザー作成画面

このユーザー情報を次のステップで使用します。


✅ ステップ2:MQTTアドオンをインストール

Section titled “✅ ステップ2:MQTTアドオンをインストール”
  1. 「設定 > アドオン」へ移動
  2. 「アドオンストア」を開く
  3. “Mosquitto broker” を検索してインストール
Home AssistantアドオンストアのMosquitto broker
  1. 「設定」へ移動し、「Customize」セクションで「active」をオンにする(フォルダ名はmosquitto
  2. インストール後、「起動時に開始」「ウォッチドッグ」を設定
Home AssistantのMosquitto brokerアドオン設定画面

これでHome AssistantがMQTTメッセージを受信できるようになります。


✅ ステップ3:MQTTインテグレーションを有効化

Section titled “✅ ステップ3:MQTTインテグレーションを有効化”
  1. 「設定 > デバイスとサービス」へ移動
  2. 「+ 統合を追加」
  3. “MQTT”を検索して追加
Home AssistantのMQTTインテグレーション設定ダイアログ
  1. 先ほど作成したユーザー名とパスワードを入力

これで、Home AssistantがMQTTブローカーと接続されます。


✅ ステップ4:地震情報サーバーに接続

Section titled “✅ ステップ4:地震情報サーバーに接続”

ここからが本番です。 ローカルのMQTTブローカーを、気象庁データを配信する公開サーバーにブリッジします。

Home Assistant OSでは次の場所にファイルを作成します:

/share/mosquitto/earthquake.mayberry.farm.conf

「Studio Code Server」アドオンを使って、このファイルをHome Assistant上で直接編集しました。 最初に/を開かないと /share/mosquitto/ が見えなかったので、少し戸惑いました。

connection jma_earthquake_mayberry_farm
address earthquake.mayberry.farm:1883
remote_username hajma
remote_password hajma
start_type automatic
cleansession true
topic homeassistant/sensor/japan_earthquake_tokyo/# in 0
topic homeassistant/sensor/japan_earthquake_kanagawa/# in 0

この設定で、東京と神奈川の地震情報を受信します。 他の地域(大阪・北海道など)を追加したい場合は、topic行を増やすだけでOKです。 japan_earthquake_anyを使うと全地域を対象にできます。

VS CodeでMQTT設定ファイルを編集している画面

接続が完了すると、Home Assistant上に自動で各都道府県のセンサーが作成されます。 YAMLの記述も、カスタムインテグレーションも不要です。

地震発生からおよそ60秒以内にセンサーが更新され、 それをトリガーに以下のような自動化を作成できます。

  • 廊下のライトを点滅させる
  • スマホに通知を送る
  • 音楽を一時停止する
  • 記録を残して後から振り返る

🧘 静かな「気づき」をくれる家

Section titled “🧘 静かな「気づき」をくれる家”

このMQTTサーバーを作ったのは私ではありません。 特別なコードも書いていません。 ただ、コミュニティの知恵を少し借りて、家が“地球の声”を聞けるようにしただけです。

それは派手ではなく、静かで、オープン。 でも、日本のように地震と共に生きる国では、 この「静かな気づき」が、ほんの少しの安心につながる気がします。